内容紹介(10巻)
武闘派の襲撃に端を発した大学での騒動が収束したとはいえ、未だ感染症状を抱えるくるみ。ゆき達はくるみを救うため、そしてくるみから血清を作り人類の希望となるために、新たな仲間と共にランダル製薬本社へと向かう――。希望と絶望が交錯する第10巻!!
内容紹介(11巻)
ランダル製薬本社でのランダル保護機構との交渉は決裂し、学園生活部は行くあてのない逃亡を迫られることになった。くるみの体調も刻一刻と悪化していく中で、彼女たちの保護を申し出た新たな組織が現れるが…。
そろそろ物語も佳境に入ったので,10巻から続けて読んでみた。
10巻は,感染者のくるみの今後などを考えて,大学を出てランダル製薬本社へ向かう場面から始まる。会者定離,だけどいつか別れるからこそ最後まで一緒にいたいと学園生活部の4人は改めて気持ちを確認し合う。
人間って自分がどんな顔してるかも一人じゃわからないんだよ ー 177ページ
ランダル製薬本社のコンピュータにいたAIボーモン君が癒やし。
椎子の言葉は合理的で美しいと思う。
個体が死亡すると細胞は溶解酵素を放出し自身を分解消化する
共生していた腸内細菌も内臓を消化し腐敗反応を起こす一方
土壌菌に動物昆虫なども加わって物理的化学的に死体は分解される
死とは長年の進化によって得られた
精巧きわまりない再利用システムだ ー 81ページ
11巻,ランダル本社で生き延びる方法をさぐる学園生活部の4人と椎子。寝ていることが多いくるみを連れての逃避行は大変だ。ボーモン君はゆきたちの心の支えになっているが,いつまでも一緒にはいられない。
覚悟を決めているくるみ。辛い役を常に率先して引き受ける美紀。
椎子はくるみに注射されたモノが何であったかを考え,巡りが丘土着の菌だった病原菌に対する抵抗力がこの土地にはあるのではないか,学園生活部そのものに何か鍵があるのではと考える。
だが,みーくんも,流石のゆきでさえも,もう疲れを隠せない。『蛍の光』を歌うゆき…。
ずっと辛い物語だが,今回も何一つ救いが無い感じ。ついに次巻が最終刊ということだ。願わくば,くるみも含め学園生活部のみんなに安息の日々が来て欲しい。「夜明け前が最も暗い」の後書きを信じて夜明けを待ちたい。
過去記事:
- がっこうぐらし! 10巻(2018-12-04)
- がっこうぐらし! 9巻(2017-03-31)
- がっこうぐらし! 8巻(2016-08-20)
- がっこうぐらし! 7巻(2016-02-07)
- がっこうぐらし! 1~6巻(2015-09-28)