六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

化物語




アニメを先に見てしまったので、そう言う視点で。
おかげでドキドキ感はまるで無しだが、あまりにもアニメと寸分違わずだったので感心した。アニメがとても原作に忠実だったのだろう。だが、アニメを見ていたとしても、言葉遊びが目的の一つと言っても過言でない物語の性質からして、これを文章で読むのは意味があったと思う。
それにしても、やたら難しげな言葉を駆使する知的レベルの高い高校生たちである。それとも昨今の世の中では普通の高校生たちが日常会話の中で街談巷説とか道聴塗説とか面目躍如とか喋々喃々とか言うのだろうか。

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)


人付き合いが嫌いなのと人間嫌いは、違うんだよ?

羽川翼の言葉。確かに違う。私自身がそう。人間は好きだけど人付き合いは嫌い。「世の中に人の来るこそうるさけれとはいふもののお前ではなし」は、内田百輭百鬼園)「お前ではなし」より。





上巻は「アニメと寸分違わず」という印象だったが、下巻はアニメで割愛されたと見られる会話がそれなりに出てきて、それが非常に面白かった。特に暦と駿河の会話は芸術的と言っていいほどばかばかしく楽しくテンポがよい。神原駿河は学校のスーパースターに相応しき素晴らしい奴で、阿良々木暦の後輩などにしておくのは勿体ないと思ったし、アニメよりずっと神原が好きになった。

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)


羽川翼の弱さに同情はしないが、確かにそれは切ないだろう。

私との友情よりも私に恩返しすることの方がずっと大切だなんて―そんな寂しいこと、言わないでよ。

私もそう思うぞ。恩返しより友情を大切にしてくれよ、阿良々木君。


忍ちゃんのことがもっと知りたいのだが、そうすると、『傷物語』とか『偽物語』とか『猫物語』とか『傾物語』とか色々読まねばならないのだろうな。読むのは吝かではないが、如何せん1冊のお値段が高すぎで…。