六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

ワインの誘惑その2

朝,お弁当を作りながら考え事をしていた。何でこう台所が苦手かねぇ?
そのうち色々な事が起きた。カウンターの上にばらまかれた茶葉。何かにひっかけて振りまいてしまったらしい。ただでさえ時間が無くておかずの内容も決まっていなくて焦っているのに私ってば何ということをっ! 心の中で舌打ちしながら片付けていると,何かに何かをひっかけて,その辺の食器が転がった。その後生姜ミルクティーを作って鍋からカップに注いでいると,周辺にいっぱいこぼれ,どうにかしようと鍋をガスレンジに戻したらガスレンジにまでミルクティーがボタボタ。何とかせねばと左手に持っていた茶こしの葉を捨てようとしたところ,調理台の前に置いてあった生ゴミの容器が落ちてひっくり返った。
なるほど! 確かに私は包丁が使えない。ある小説に「料理とは之切ることなり」と書いてあったが,その通り,包丁がまともに使えないというのは料理をするのに致命的なこと。しかし,それ以上に私のドジがいけないのだ! 台所にはモノがいっぱい危険がいっぱい,次々と何かが起こってギャーッとかアーッとか叫ぶことになる。そして時間ばかりが過ぎて疲れ果てる。

本人としては甚だ迷惑なことに,何故か私はクールで何でもこなしそうに見えるらしく,そのため私を中途半端に知っている人には信じられないことのようだが,私はかなりドジ。たぶん,手乗りタイガーこと逢坂大河に少々負けるくらい? 要するに漫画かアニメの世界だけの話でしょと思うような典型的ドジを地でやってしまう。ドジっ子が萌え属性なんてのは他人事として見ていれば済む場合に限るのであって,実際は迷惑千万。本当にたまったものではない。

おそらく注意散漫というか,台所における気遣い方法が基本的に間違っており,自分ではどうしたらよいのか分からないのだ。ドジに次ぐドジで気力を使い果たし意気消沈し時間に追われ,ワインの助けも欲しくなろうというものだ。何しろワインを飲みさえすればドジもまた楽し,苦痛の時間が鼻歌交じりの日常に変わるのだから。



そうして今朝も何とか弁当はできあがった。食べるのは私ではないから美味しいかどうかは不明だが,とりあえず見かけは弁当だ。