六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

冴えない彼女の育てかた 4〜7

 加藤との仲直りの場面からなかなか立ち直れなくて読み進められなかった。加藤と仲直りしてほしくなかったのではなく、加藤恵という人物に圧倒されてしまって、心が自分の世界に帰ってこないから次の場面を読むことができなかった。最後までそばにいて力になってくれるのは加藤のような人だ(恋愛は友情の墓場だぜ?)。何か読めば読むほど引き込まれていく物語だった。物語との本筋とは別に色々と価値観に感心させらたり開眼させられたりと発見が多い物語でもあった。なるほど日本のバレンタインデーは素晴らしいのかもしれない。チョコレート嫌いだし、(笑)なイベントとして生まれてこの方スルーしてきたけどバカだったかも? なるほど下手に物語がないからギャルゲーは世界に寄り添えるのか。
 最後は何か予想通りというか。まぁそうなるな。
 
 
 どうでもいい、いやどうでもよくないけれど、大学生が暇とかいうのは聞き捨てならないですわね。文系に限って暇なのでしょうけどっ!? 高校なんて比較にならないほど忙しかったですけどっ!?
 で、倫也爆発しろ!!

 
  あぁ6巻ってどこから始まったんだっけ…?と思うほど、終わってみると英梨々の巻だった。ひねくれているけど真っ直ぐで誠実な英梨々を私がこの物語の女の子たちの中で最も気に入っているせいなのか、物語が佳境に入ったせいなのか、まぁ両方だと思うけれど、息つく暇もないほど一気に読んでしまった。
 倫也君、それでも自分はリア充ではないと思うのだろうが、棲んでいる世界がオタクの世界ってだけでやってることリア充の極致だよ。爆発しろ。いや英梨々には絶対に幸せになってもらいたいけどね。彼女の最後の7枚、本当に心から見たいなぁ。
 伊織君はかっこよすぎ。
 恵の行動は、わかる気がする。現実の世界だったら、これで終わり、恵は帰ってこないだろう。けれど、ファンタジーなのでそうはならないことを願いつつ。
 
  巡璃を選ぶか瑠璃を選ぶか。詩羽先輩とシナリオの物語。池袋の椿○珈琲店が出てくる。確かに高いのだよあそこ。でも素晴らしく美味しいね。で、詩羽先輩に倫也が物言いを挟む構図は2巻と同じだが、一応二人とも少しは進歩している。「フラット」と評される加藤が内に秘めている力が垣間見られる。伊織君のすごさと倫也のオタク力の再確認の巻でもある。
 あぁ頑張れ英梨々。私は君の味方だ。
 
  音楽担当、従姉妹の氷堂美智留の巻。
 まぁ普通に考えて、そいういう家族のように気安く親しく才色兼備な従姉妹がいて都合良く居候し、更にベタベタとなついてくるなどという場面はあり得ないしあざとすぎると思うのだが、倫也君があまりにもオタク活動にしか興味ない人なので許せてしまうのだった。美智留は詩羽先輩以上に嫌いと思ったけれど。
 反面、えりりんと加藤は安定して楽しい。二人が仲良くなるのは良きことだ。

どう考えても文芸系の方が愛とか恋とかのない退廃的なセックスとか描いてて人の倫理に外れたことやってるのに、どうしてきっちりがっちり恋愛した末に最後まで到達する萌えオタ御用達作品の方が迫害されるんだろう……あんなに健全なのに。

 まったくだよね。