紫色のクオリア
- 作者: うえお久光,綱島志朗
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 文庫
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クオリアという言葉を恥ずかしながら私は知らなかったのだが,日本語では感覚質と翻訳されるらしい。常々自分が自分たるというのはこういうことだと思ってきた誰とも共有できない感覚。それがどういうことかを扱った非常に哲学的な物語でもある。「我思う故に我あり」というデカルトの言葉を度々思い浮かべて過ごしている私には興味深いテーマだった。
アマゾンの評価が高いので気になって読んでみたが,2009年出版,そうか,『Steins;Gate』や『まどか☆マギカ』より以前にこんな物語が存在していたのか。この二作を知っていたら,読書の最中に必ずや重ね合わせて思い出すであろう。1冊で完結する非常に完成度の高い作品。