六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

涼宮ハルヒの分裂と驚愕

狼と香辛料』はエピローグにあたって初巻から読み返したのだったが,ハルヒは『涼宮ハルヒの分裂』から読み返すのがやっとだった。確かに驚愕は分裂の続きではあるが,一応ハルヒの全ての物語は繋がっているので,できれば憂鬱から読み直せば4年の間に忘れてしまった細々に悩まされることなく読めるだろうとは思ったのだが,あまりにも強烈な宙ぶらりん状態で4年間も放置プレイされていたため,そこまで気長になれなかった。こんな状態で終わっておいて続きはもう出さないつもりなのか?という腹立たしさを4年も抱えていたにもかかわらず,きちんと続きを買って読んだのは,やはり物語が,登場人物たちが,魅力的だったからの一語に尽きる。


以下,覚え書きと感想。

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

初読2007-08-15:続きを出せー
再読2011-08-10:手元にあるのは平成19年4月発行の初版。4年も待たされた続きがようやく出たが物語はすっかり忘れており、再読。もっと前の巻から読み返すべきかとも思ったが気が急いており、早く佐々木に会いたかった。しかし、やはり話はずっと前から繋がっている。SOS団メンバー以外の人物について詳細に思い出せない記憶が多々でもどかしかった。このとんでもない終わり方で4年はあまりに長い。文句なしに先が気になったので続きを買って読むが、読書の勢いが挫かれた残念感は忘れられないだろう。さて、αパートの女の子は?


初読2011-08-15:4年待ってようやく読んだ割りには話が遅々として進まなかった印象。九曜の化け物ぶりが本領発揮し、一応αパートの女の子は予想通りで、佐々木の話を聞く機会は増えた。キョンと佐々木の共通の友人である国木田が後編で活躍することがあるなら楽しみだ。古泉の存在感が以前にも増して大きくなりつつある気がする。彼が如何に頼りになる人物であるかを始終感じ続けた巻であった。


初読2011-08-15:分裂と驚愕の物語は一件落着したが、ハルヒを巡る物語は続いてゆくようだ。思った以上に佐々木の出番が少なかったので彼女にまた会えるのなら歓迎したい。佐々木は、私にとっては誰よりも魅力的な人物だった。キョンは間違いなくハルヒと離れられないだろうと思うのに、何故かハルヒと一緒にいるキョンより佐々木と一緒にいるキョンの方が好き、といえばちょっと違う。だが、佐々木と一緒にいるキョンの方が安心できるという印象を抱いていた。それについてはエピローグで国木田が実に明快に説明してくれ納得した。国木田の発言もこの先楽しみだ。ハルヒは不思議な力を持ちつつも、SOS団に抱かれ普通の少女に近づいた気がする。さてね、佐々木は何故キョンに相談などしようとしたのかな。ハルヒと佐々木の中心にいるキョンは、結局の所一番「普通ではない」人物なのではないかという印象を拭いきれない。キョンは何者?