生きてきた時間のぶんだけ,自分を投影したモノたちが増えていく。
過去の私は別人だけど,かといってスッパリ切り捨てるほどの他人でもない。だから彼女の息吹が感じられる物を捨てるのは,痛く苦しい。心が血を流す。
でも,まだしばらく人生が続くなら,流血しながらお別れするほかないだろう。
私に与えられた空間はとてもとても限られていて,そこは今を楽しく生きるために有効活用しなければならない。今や他人となった彼女の物ではなく,この私の物で満たされなければならない。
だから,ごめん。さようなら。
でも,貴方たちの記憶は,いつまでも"今の私"が保管する。