六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

RDG レッドデータガール 1〜6

日本古来の神話や伝統的な神秘的なものみたいな世界観がけっこう好きなので、荻原規子氏独特の世界だったけれど面白かった。アニメは5巻までだったので最終巻まで読んでスッキリ。文の運び方も好きだった。この先どうなるか肝心なことはわからないままだけれど、このままでもいいかなという終わり方。
登場人物が多すぎず少なすぎず個性的。子供っぽくて意地っ張りだけど良い子で深行の魅力は格別だったかな。宗田真響は良い子かもしれないけれど苦手。真夏ときょうだいでなかったら信用できない感じがしたが、それもスパイスとして良かった。高柳は最初から嫌な奴的存在として出てきたけれど、悪い奴とは思えなかった。しかしこの人達みたいに何でも疑いながら生きていかなくちゃいけなかったら大変。ばかみたいに人を信じちゃうことに関しては泉水子より酷い私など,この学園にいたらあっという間に騙されて他人のコマに利用されそう(^^;。
まぁとにかく、こんな世界がこの世のどこかにあるのかもねと思って読むと楽しい。アニメもう一度見ようかな。
 

熊野古道の玉倉山にて、鈴原泉水子と相良深行・和宮さとるの関係が落ち着くまで。日本の山岳信仰や山伏など存在は知っていても何なのか知らなかった世界を垣間見る感じで面白い。
 高校入学から。宗田真響・真夏・真澄との出会い。高柳との対立。生徒会長の如月・ジーン・仄香や初代生徒会長である村上穂高との出会い。異なった姿で現れた和宮。深行の言動は何の罪も無い泉水子に対しては八つ当たりにしかなっていないし、泉水子かわいそうだなと。でもおかげで一人であることの自覚が生まれ彼女は変わっていこうとする。初めてのお化粧は変わっていく彼女の象徴でもある気がした。
 夏休み、真響・真夏の故郷である戸隠村で行った合宿での出来事。真夏と愛馬タビ、真響の野心と思惑、如月・ジーン・仄香の立場、真澄の正体、泉水子の行動力、舞の力,深行の黒い翼。
 夏休みが終わり、学園祭が始まるまでの準備期間で起こったこと。八王子城跡を訪れたり、髪を編んだままの泉水子姫神が降りたり、幽霊が学園に現れたり。姫神の正体が何であるか、姫神自身によってあかされ、学園がどういったところなのかが少しずつわかってくる。真響に泉水子の正体を隠すことが難しくなり、泉水子と深行は完全に宗田の陣営となる。泉水子と深行の関係、泉水子の変化というか成長は面白い。
 張り巡らされた結界の中で始まった学園祭。最後の最後まで諦めずに泉水子をスカウトする高柳。目標に一途なだけにちょっと自己中心的な真響。信じられないトラブルに巻き込まれながらも気丈に学園祭を全うしようとする如月・ジーン・仄香。世界を払う舞。高柳の間違いは泉水子を見くびっていたことだろう。彼の生い立ちを考えれば仕方がないのかもしれない。そして一番のダークホース、未知なる力を秘めた者は深行なのではないか。確かな泉水子のパートナーとして。
 学園祭後、後期試験からクリスマス、年末の出来事。学園祭やクリスマスなどのイベントを通じて泉水子は少しずつ学園の中心で守られる者として場を作る存在となっていく。高柳も泉水子の存在を理解し始める。力あるところには必ずたくらみが生まれ疑いや騙し合いと無縁であることもできないけれど、深行と学園を得た泉水子姫神には今まで無かった未来が開けるのかもしれない。