六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

青ブタシリーズ 第8巻〜9巻

  1. 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
  2. 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
第2部は梓川家の物語…という感じ。7巻で伏線回収し美しく終わったので蛇足と言えば蛇足で,読んでいてもやはり迫力が落ちた感じは否めなかった。だが,かといってここで書かれていることが問題ではなかったわけでもないので…と思いつつ読んだ。
  大筋は花楓の受験の話。学校とはどういう場所なのか,普通は疑わずに信じてきたことを考え直すことにより,選択肢は広がる。

学校やクラス、その集団が作る空気に 馴染めない生徒は必ずいる。それがわかっているのに、みんなを同じ教室に入れて、同じ授業を受けさせて、同じ学校行事に参加させるというのは、教育が時代に適応できていないということなのかもしれない。

この事実に正面から取り組む本は貴重。

どうにもならない 理不尽 が子供に降りかかることがあるように、どうにもならない不条理が両親に降りかかることだってあるのだ。

青ブタシリーズはよくある親不在なラノベではないところも良いと思う。ちょっと違和感のある麻衣さんとランドセルの少女,そして霧島透子という新しい存在。穏やかに淡々と第2部の幕が開けたという感じの巻だった。
 

麻衣さんが卒業した3月に咲太に訪れた思春期症候群。咲太と花楓は母と会う。両親との2年間の別離が心に与えたものと向き合う咲太と花楓。家族がもう一度家族になるための物語。次の春,咲太とのどかは大学生になった。麻衣さんとそっくりなランドセル少女と霧島透子,そして咲太の中学時代の同級生,赤城郁実の謎が続いていく。そろそろ収束に向かってくれないかな…。