六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

戦国自衛隊

 戦国自衛隊には幾つか違う背景の物語があるが、これは最初の戦国自衛隊。戦国時代へタイプスリップした昭和時代の自衛隊補給部隊が出会うのは上杉謙信となる筈の長尾景虎。何故か秀吉や信長など台頭が見えない世界。隊員達は覚悟して戦国時代で新しい日本を作ろうとするが、歴史はそれを許すのか。「時」は彼らに何を求めたのか。最後の瞬間に少しだけ謎が垣間見える。
 角川文庫『新装版 戦国自衛隊』の初版発行は昭和53年5月だ。当時はSFの中でも軽い、今でいうラノベに近い分類だったのかもしれないが、半村良氏の文章力は素晴らしく、古さを全く感じさせず、読んでいて本当にストレスがなかった。最近のラノベの冗長さに私は飽き飽きして退屈していたのだと思う。日本史の知識に疎いため、物語の面白さの半分も理解できなかったと思われ残念。
 
★☆★☆