アイザック・アシモフ。この超有名なひとの作品を,実のところ私は『神々自身』1冊しか読んだことがなかった。ファウンデーションシリーズやミクロの決死圏など,中高生くらいの頃,本屋で背表紙を眺めてはワクワクしていつか読もうと思っていたのに,小学生の頃から贔屓だったハインラインの作品ばかり読みあさっていて他の作家に回す時間資源が尽きていたのだった。でも『神々自身』は何度も読み返したし,SFを読んでみたいという友人がいたら,ハインラインの『夏への扉』と並んで*1これをお勧めするほどのお気に入りでもあった。
そうやって長い時間をかけてようやくたどりついた2冊目のアシモフだったのだが,さすが名作と言われるだけあって,最初の数ページを読んだだけで文句なしにひきこまれた。主人公のイライジャの心理やR・ダニールとの関係の移り変わりは常に興味深く,登場人物たちを注意深く観察しながら読み進まねばならないところは推理小説そのものだった。私は推理小説なるものを好んで読まないのだがSFと融合した推理小説をこんなに面白く読む日がくるとは思わなかった。続編の『はだかの太陽』は入手困難のようだが,機会があれば読んでみたいと思う。
- 作者: アイザック・アシモフ,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/03
- メディア: 文庫
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