六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

エミリーはのぼる

エミリーはのぼる (新潮文庫)

エミリーはのぼる (新潮文庫)


エミリー13歳〜17歳。エミリーはルース伯母さんの家に下宿しシュルーズベリーの高校に通う。いくら原稿を返送されるても自分を信じて書き続け送り続け、アルプスの道を登り続ける。書くことが生きることであるエミリーの日記を織り交ぜながら、学校や学友との出来事、アルバイト、霊感、マレー家のこと、恋愛のこと等々が描かれる。
もちろんアンのシリーズは、特に前半は非常に夢があり機知があり読み甲斐があるもので、それに比べ地味で現実的なエミリーの物語だが、私にはこちらの方がすんなりと世界に入り込める気がした。エミリーの自然の愛し方、エミリーの物の愛し方、それらは私にはすごく理解できる性質ものだ。自分の一部であると心が知っている土地にいられることがどんなことか、たぶん私はよく知っているから、彼女があくまでもニュー・ムーンのエミリーであったことが最後とても嬉しかった。