六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

たぶん、昔からそれだけが欲しくてそれ以外はいらなくて、それ以外のものを憎んですらいた。だけど一向に手に入らないから、そんなものは存在しないとそう思っていた。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9』 (ガガガ文庫) 渡航 [p.241]

 最初から最後まで胸が締め付けられるような長い巻だった。ただ、最初と最後は締め付けられる理由は異なっていた。
 最初はうざいキャラなのかと思った一色も三浦も、戸部も葉山も、物語が進むにつれて、実際に人が知り合うに連れて理解していくように色々な面が見えてくる。そう、うざいだけの人物なんて存在しないのだ。カッコイイだけの素敵な人など存在しないようにね。頭で考えて当然のことなのに、現実には偏見というフィルターが正当な評価をはばむものなのだ。本の中だろうが現実の世界だろうが。
 いろは逞しかったなー。感心した。