六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

日本橋の想い出

昨日歩いた日本橋。車では何度も通ったけれど,歩いて渡るのは初めて。
私の頭の中には昭和16年(1941年)夏のある風景が過ぎってゆきました。手元に残る,もう連絡をとることも叶わなくなった友人の御母様の写真です。友人の御母様は1903年生まれ,7年前に亡くなった私の祖母と同じ年の生まれでした。
友人が話してくれた昭和16年8月は,大陸で支那事変が勃発し,戦争突入をひかえて次第に食料や衣類・石鹸などの物資が不足し始めていた時代。やがて衣類は切符制になったとのことです。
そんな時代の東京,日本橋の上には,このような写真を撮る路上写真屋がいて,スナップを売っていたのだそうです。

首都高速の下で美観を損ねている日本橋,日本国道路元標が埋め込まれるという見たことのない日本橋を思い浮かべながら,私は彼女の話を聞いたのでした。もうそれも7年くらい前のことになってしまいました。まさか日本橋から遠くない場所に住んで,この場所を歩いて通る日が来ようとは。