六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

本の記録(2021-04)

4月の読書メーター



チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)感想
 天動説に異を唱え地動説を実証しようと試みた人間は,歴史に名を残したコペルニクスガリレオだけではなかったのは当然のことなのに,今までそれに思い至っていなかった。単純な話,天動説に興味が無かったのだ。はいはいプトレマイオス時代のものだよね,本番はケプラー以降…と斬り捨てていた。地動説が当然になる前の世界で,天動説と地動説の狭間であがいた人々の物語。最初からとても面白かった。次巻以降にも期待。
読了日:04月01日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)感想
 第1集の物語から10年後。地動説の脈は絶えること細々と確かに進みつつあった。完全に美しい天上とは違い,醜い底辺の地上で,すぐに終わってしまう生を過ごしていると考え,何の希望も持っていなかった青年,文字を読むことすらままならなかった青年が,地動説の渦に巻き込まれていく。
読了日:04月02日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス)感想
 アリストテレスの世界を信じたいけれど,その世界を証明することは何人もの人が何世代もの生涯をかけても出来ない。そしてあるはずのない満ちた金星が人の人生を変えていく。続きが気になる!
読了日:04月02日 著者:魚豊
陸蒸気はじめました。【増補版】陸蒸気はじめました。【増補版】感想
 鉄道の父,井上勝(1843~1910)の物語。
 長州五傑として江戸時代にロンドンへ留学し,帰国後,紆余屈折を経てイギリス人のエドモンド・モレル(1840~1871)と共に日本の鉄道の礎を築くまで。
 現代風にふざけて描かれているようで,史実はしっかりと抑えてあり,予備知識なしで日本の鉄道開設について知るには良かった。
 東京駅の井上勝像と,桜木町駅のモレルの碑・鉄道発祥記念碑を見に行きたくなった。
読了日:04月17日 著者:相生リサコ
続・陸蒸気はじめました。【増補版】続・陸蒸気はじめました。【増補版】感想
 東京―横浜が開業したあとの物語。
 鉄道は関西や東海道,東北や中山道など日本各地へ広がっていく。井上勝は技術者達をスパルタで育て,鉄道長官を辞任し政府を去った。その後も何故か部下達には慕われて個人的なつきあいが続いたらしい。そして最後まで鉄道との縁のもと,懐かしのロンドンで客死したのだった。
 後書きで著者は「史実をもとにしたフィクションとしてお読み下さい」と書いている。そのように読んだつもりだが,今まで知ることが無く知ろうともしなかった鉄道の歴史のことが多少なりとも分かって良かったと思う。
読了日:04月19日 著者:相生リサコ
ペンギンカップル―ジョーとサリーの世界漫遊記ペンギンカップル―ジョーとサリーの世界漫遊記感想
 1995年頃から森永ハイソフトミルクキャラメルにおまけカードとして入っていたペンギンの写真の写真集。
 カードで知っていた写真を大きく見るのは素敵だし,知らない写真も多く楽しめた。中には今はなきニューヨークのワールドトレードセンターを背景にしたものや,そのビルの中のレストランで撮った写真もあり感慨深かった。
 世界のどこか,時には観光地,時にはそこで暮らす人たちが日々目にしていそうな風景の中のペンギンたちは生き生きとした表情で旅を楽しんでいる。
読了日:04月21日 著者:ヴィリー プフナー
裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)感想
 「ファイル20 Tは寺生まれのT」で1冊で,元ネタは「寺生まれのTさん」。著者あとがきによると,「「有名人」であるTさんに登場してもらうことで、いつもと少し毛色の違うお祭り感を出したかったので、あえて原則に背い」て,「作り話と明言された話は原則として取り扱わないことにしているが、(略)初めての例外となった」とのこと。読み応えもありあまり百合百合していないのもよかったが,回収されずに終わったことが幾つか気になっている。あと,1巻~3巻あたりまであった怖さがだんだん薄れているようで残念。
読了日:04月25日 著者:宮澤 伊織
三つ編み三つ編み感想
 インド人のスミタ・イタリア人のジュリア・カナダ人のサラ。世界の異なる場所で生き,お互い知ることもない三人の女性を同等な主人公に据え,交互に語りながら最後に各々の人生の営みが交差する。
 素晴らしい小説だと話題になっていたので読んでみた。淡々と簡潔な語り口でテンポ良く三人の話が交互に語られ読みやすかったし,読み始めてすぐに結末は見えたが,最後まで結末を見たくて読み進んだ。普通に面白かったけれど,「フェミニズム」が鼻について,多くの読者が言うほど爽やかな明るい気持ちな読後感ではなかった。
読了日:04月28日 著者:レティシア コロンバニ
キリコのコリクツ (角川文庫)キリコのコリクツ (角川文庫)感想
 テンポ良く読めるセンスの良いエッセイ集だった。所々に挟み込まれる玖保キリコさんのイラストが楽しい。
読了日:04月30日 著者:玖保 キリコ
好きな子がめがねを忘れた 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)好きな子がめがねを忘れた 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)感想
 ギャグラブコメ。面白かった。眼鏡を忘れて目が見えないだけでよくこれだけの話になるものだ。
読了日:04月30日 著者:藤近小梅

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