9月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:567
ナイス数:21
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)の感想
サイバーパンクの先駆け金字塔と賞賛される本書だが,以前に読もうとしたときは,「千葉市憂愁」を読み終わったあたりで挫折した。登場人物を把握できず,独特な用語を把握できず,何が何だかわからなくて物語に入り込めなかったのだ。
今回は何が何でも最後まで読むつもりだったので頑張ったが,やはり一度目とそれほど変わらない理解度で最後まで行ってしまった。冬寂(ウィンターミュート)って?構造物?氷?転じるって?
プログラムの名前なのか実在の装置の名前なのか人物なのか仮想人物なのか仲間なのか敵なのか,とにかく把握できない。
ケイスとモリイの会話だけはかろうじて楽しめた。
それでもこの物語が描く世界は1984に書かれたなんて信じられないくらい2020年に読んでも陳腐化していなくて凄いことはわかったし,その後の多くの作品や世界観に影響を与えたこともわかった。ウィリアム・ギブスンにとって日本は未来だったそうだが,千葉市に始まったり,そこかしこに日本のメーカーの名前が出てきたりするのはそのためだろうか。
サンヨーのトランシーヴァに囁きはじめる。(P. 170)
サンヨーが生き残っている別の世界線の未来の話らしい。
読了日:09月09日 著者:ウィリアム ギブスン
足下の歩き方 ハクメイとミコチワールドガイド (HARTA COMIX)の感想
コミック『ハクメイとミコチ』の副読本。登場人物の紹介は服や出身地やエピソードが,ウカイやライカ,スズミなどの脇役までもまとめられている。この物語において,確かにハクメイは主人公かもしれないが,脇役は存在せず,全ての登場人物が作る世界そのものが主役なのだなと思った。
また物語だけ読んでいてもよく分からなかった世界が地図で明らかにされ,登場人物各々がどこの国からやってきたのか,また,マキナタの地図を見て登場人物の家の位置関係もようやく理解できた。
この本を手元に置いて,もう一度最初からハクミコを読み直したい。
読了日:09月23日 著者:樫木 祐人
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