2020年4月14日のベランダの様子。
休みなく花芽を伸ばすモミジ葉ゼラニウム。
鈴なりのブルーベリーの花。
コバノランタナ。
この株は知人からもらってきた枝を挿し木して既に20年以上。いつまでも元気だ。
ベランダの花とは全く関係ないのだが,今日は何となく,子供の頃に実家の庭で見かけた動物たちのことを思い出していた。
小学校2年生くらいの頃だったか,2羽のホロホロ鳥が庭を歩いていたのにはびっくりしたものだ。家族総出で捕まえ,動物園へ問い合わせたが動物園の鳥ではなかった。どうしようかと話していたら,近所で飼っていた鳥だったことが判明。保護したホロホロ鳥を飼わねばならない事態は免れた。
同じ頃の夏,甲羅が3cm四方くらいの赤い蟹が,庭の生垣から出てきて芝生の上をポツポツと歩いて行くのを見かけた。どこから来たのか謎。このままでは死んでしまいそうだから飼いたいと親に訴えたが,蟹の飼い方などわからないと却下され,私は蟹がどこかへ一心に歩いていくのを,見えなくなるまで見送った。
小学校5年生の,庭が少しばかり雪で白くなっていた冬の日。勉強しながらふと気配を感じて庭を見ると,庭の真ん中をイタチの親子が悠々と歩いていた。母イタチが3匹の子供を後ろに従え,一列になって庭の池の横を通り過ぎ,生垣から外へ出て行った。
熊本市の住宅街なのに,当時はまだ随分とワイルドだったなと思う。
昼間はよくバッタやナナフシ,カマキリなどを見かけていたし,土を掘ればトカゲの卵。モグラに出会うこともあったし,池の横の排水溝からいきなりアオダイショウが出てきて悲鳴を上げたこともあった。オンブバッタを見つけると,何とかしてつかまえて2匹を引き離そうと努力した。アリジゴクを沢山あつめて盥に巣を作らせては蟻を落とすということもやっていた。全く何故そんな残酷なことを?
夏になると窓には様々な昆虫が寄ってきて,蛾は嫌だったけれど,ニイニイゼミにクワガタ,コマダラカミキリ,時にはタマムシが飛んでくることもあった。
世界は未知の楽しいものでいっぱいで,小学校に入る前の幼い頃から,私は一人で動植物を相手に延々と観察をして遊ぶ子供だった。道端の草も片っ端から味見をして,どの草が酸っぱいか,どの草からは白い汁が流れ出るかなど詳しく知っていたものだ。誰かと遊ぶよりそちらの方が楽しかったというより,一人でやる楽しいことに霧中で誰かと遊ぶ暇はなかった。
自粛だの外出禁止だの言われても少しも苦痛を感じないのは,生まれ持ったこういう性質があることが大きいのだろうと思う。