六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

小説NieR:Automata(ニーアオートマタ) 長イ話

 PS4アクションRPGのノベライズ。凄く世界が好みなので是非ともゲームをクリアしたかったのだが,私はゲームでまともに視線を前に持っていって走ることもできない下手くそなので,イージーモードでも難しく><
 
 地球人類に創造されたアンドロイドとエイリアンに創造された機会生命体が荒廃しきった地球で戦う物語。人類とエイリアンは共に絶滅していることから創造物同士の闘いになっている。創造された機械であるはずの者たちの中に芽生える自我の可能性の物語だと思った。ゲームの幾つものルートをつなげて1本の筋の通った物語として紡がれていて,面白く,SFとしてもきちんと成立していて読み応えがあった。
 アンドロイドの最後の機体であった2B(2H)と9S,A2,彼らの随行支援を担当したポッド042と153。また,平和を望む機械生命体パスカル,人類に恋い焦がれるアダム,アダムを直向きに慕うイヴ。自らの型のアンドロイドが犯した大罪を償うために生きるデボルとポポル。A2やパスカルとも繋がるアネモネ。「感情を持つことは許されていない」と冷たく言い放っていた2Bの最期はあまりにも感情豊かであったし,9Sはそもそもとても感情豊かで,そんな9Sを「好奇心旺盛で、素直で、明るくて……まるで地上に注ぐ陽射しのよう」と思っている2B。大切な者を失ったことで苦しみ狂う9S。一縷の希望を残して物語は終わった。
 「理解し難いものへの理解を試みるとき、そこには、思考プロセスの変化・発展が生まれるのかもしれない。」というポッド042の言葉がこの物語だった気がする。