六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

紺碧の艦隊 ・ 紺碧の艦隊特別編 蒼莱開発物語

dアニメストアにて視聴。
前世の記憶を持った生まれ変わりの人々によって第二次大戦以降の日本をシミュレーションした架空戦記山本五十六が高野五十六として生まれ変わったという冒頭で,元々前世とは微妙に異なっていた後世世界は彼らに導かれどんどん変わっていく。高野五十六は陸軍中将の大高弥三郎と共にクーデターを起こし,内閣総理大臣となった大高,軍令部総長となった高野が中心となり,後世世界に転生した仲間と共に恒久平和を造り,よりよい負けを引き出すために太平洋戦争に突入する。戦死したことになっている前原一征少将が率いる秘密の潜水艦隊=紺碧艦隊の活躍が敵を翻弄する。
非常に硬派な史実ドキュメンタリー風に描かれており,音楽も荘厳,1話が長い上に全32話もあり視聴は大変だったが,面白かったので最後まで楽しんで見た。ただ,実際は悲惨だった我々の史実のことを常に思い出し比較してしまうので,それが辛かった。敗戦国は100年間敗戦国のままだというが,戦後70年経っても国連は第二次大戦の戦勝国クラブで敵国条項には日本の名が記されたままで,日本人はあの戦争の意味を多角的に考察することを拒んだまま。上手に負ける手腕も見識もなかった結果がこれなのだと。
原爆を落としたトルーマンがこの世界では気の毒な大統領だった。ヒトラーはちょっと悪者すぎないか?と思ってしまった。川島芳子が川洲芳子となって出場していたのが唯一の女性キャラだったかな。ロンメルはこの時代を描く日本戦記ではやたら人気っぽい。
 
物語の中では技術もこの世界を遙かに凌駕し,昭和20年代前半でジェット機が活躍するほどだったが,技術が史実を離れていく境目でひときわ活躍が目立った戦闘機「蒼莱(そうらい)」の開発をアニメ化したものが特別編で,転生した技術者を探し,時代を先取りして開発した経緯が描かれている。
 
このまま『旭日の艦隊』も見てしまおう。