-艦これ- 陽炎、抜錨します！７

　最終巻。
　
　佐世保での作戦が終わり，呉経由で横須賀へ戻る第十四駆逐隊。呉に立ち寄ったのは，神通から就任したばかりの夕雲型駆逐艦6人の教育係を引き継ぐため。
　夕雲型を引き連れて横須賀へ戻った陽炎は，愛宕の補佐と後輩育成という忙しい日々を，佐世保での秘書艦経験を活かしこなしてゆく。長月は陽炎を支えてリーダーシップを発揮し，夕雲型は真面目に訓練に励むが，真面目すぎることと，揃って挙動不審なところがあり少々気になる。
　
　深海棲艦の攻撃は激しくなるばかりで，大型艦たちは秘書艦の愛宕を除き常に出払っている状態。ついに前巻で倒せなかった空母棲姫も出現。夕雲型の面々が探し求めていた風雲が現れるラストは，大規模なイベントだった2015年夏E-6海域突破を再現した，よくこなれたゲームネタだったと思う。
　
　1巻からバランス良く面白くお飽きさせず，見事にゲームや多少の史実をまじえながら艦娘たちの日常と戦闘を描き，実に美しくキッパリと7巻で終了した。艦これノベライズの最高傑作と言える素晴らしい物語だったと思う。