六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

コトノバドライブ(2)

 普通の人には見えない世界を見るすーちゃん。何百年もの長い間に崖が見てきた風景。今はなくなってしまった大昔の山の稜線。今生きている女の子の昔の姿。不思議な夜の音。海に近づくと変わっていく空気。海のにおい…。
 

すべて 何かが覚えてる

 『ヨコハマ買い出し紀行』では白い人型キノコや街灯の木になって出てきた世界観だと思う。
 本当のところどうなのかは分からないけれど,こういう世界観は好きだ。空気のように残った思念の残像。自然の幽霊? 思い込みでもいいから,何かが覚えている不思議な世界があると信じていたい気がする。ちょっと怖い気もするけれど,自分もその世界の一員でたまにそんな不思議なものを見られたりしたら世界が愛おしくなるかもしれない。
 私はよく,知らない世界の現実的な夢を見る。夢でしか見たことないけれど,夢の中ではよく知っている場所,夢の中では親しい人。それがそんな世界を垣間見ている瞬間のような気もする。現実の世界で,知らない筈なのに最初から懐かしい気がする人,どうしても気になる人って希にいるけれど,知らない世界で知っていたのかもと思ったりすることもある。