六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

人類は衰退しました 7〜9

3人の子供たちのための学校の話と、ヒト・モニュメント設置前の騒動。2話とも興味深い物語だったのだが、それとは裏腹に入り込むことができず読むのがちょっと辛かった。何が「さえたやりかた」だったのかも理解できず、まぁいいや。

人類は衰退しました 7 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 7 (ガガガ文庫)


妖精さんたちの、ゆめであえたら」1話。おじいさんの旅立ち、ヒト・モニュメントで破壊されたクスノキの村の復興が進まない理由、ヤンママさん、それらに悩まされ不眠症なわたし。夢の世界はゲームにログインするかのようにヒトを虜にする。夢がつなげている世界。この巻はとても面白かった。

人類は衰退しました (8) (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (8) (ガガガ文庫)


8巻と9巻はもともと1冊のお話で、上下巻という位置づけらしい。8巻の最初でおじいさんが月へ旅立ち、9巻「妖精さんたちの、ちきゅう'」でわたしちゃんが妖精さんの力を借りて月へ行く。
軌道エレベータの概念はアーサー・C・クラーク『楽園の泉』*1でお馴染みだが、今や現在実現に向けて研究が進められている。そしてこの物語の世界の人類はこれを完成し、必要としなくなり、衰退してしまった。その後沢山の年月を経て、とうとう人類は一人きり。
わたしちゃんの有能さが一番発揮される巻ではないかと思う。

本当におまえと来たら、面倒くさがりのくせに無駄に活動的なんだからな

そんなわたしちゃんに凄く共感できる。彼女は月へ行く段階で地球上の生命の誕生から人類と妖精の出会いなどを知ることになる。人類がいて妖精さんがいてあたたかく柔軟な世界が持つ意味。非常に難解だがきっちり通った筋がある。ただ理解のためにはすごく思考する必要がある結末。わたしちゃんと助手さんの名前が一度ずつ出てくる。「孫ちゃん」だから?「助手さん」だから?
おじいさん、好き。

*1:2010年7月に読了しているが難解すぎてまともに感想も書けなかった。