新海誠監督作品は兎にも角にも美しすぎるほど美しい映像が好きなので見たいと思うのだが,この作品は雨,それも梅雨時の雨がひとつの大きな題材であるということだったので,尚更見たいと思った。梅雨入りすると「嫌な季節になりましたね」などと言われることは珍しくない。雨の日が「嫌な天気」と呼ばれることも。梅雨生まれだからかどうかはわからないけれど,私はそれがいつも好きじゃない。雨は好き。梅雨も好き。自分の都合で嫌な季節や嫌な天気にするのは構わないけれど,当然のように同意を求めないでほしいと思う。だから,梅雨という季節を美しく描いてくれる作品には惹かれると同時に心からの感謝を感じる。こんなにも,こんなにも美しく雨を描いてくれてありがとう。
リアルな都会の風景も自然現象も,写真のようで絵のようで得も言われぬ美しさだった。確かに,名前も年齢も立場も何も知らずに自分の日常からちょっと切り離された場所で見かける誰か,出会う誰かに救われるということはあると思う。ユキノ先生がわっと泣き出す場面の花澤香菜さんの演技は最高だった。
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