六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

ヒトラー 〜最期の12日間〜

ヒトラーの秘書だったトラウデル・ユンゲの記憶を中心にヒトラーが追い詰められ自殺しドイツが降伏するまで。
ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツの演技力は凄まじいものだった。ヒトラーにしか見えなかった。迫力に圧倒されて,本当に吐き気と腹痛におそわれ,見終わった後しばらく回復しなかったほど。第二次大戦関係の映画『シンドラーのリスト』『パリは燃えているか』『U・ボート』『東京裁判』ほか色々見たが,気分が悪くなったことはなかったので,そうさせたのは残酷なシーンとかではなく彼の演じるヒトラーの狂気だったのだと思う。
ナチス幹部の人間関係の知識がないため把握できなかったことも多くもう一度見たいのだが,ドイツ語は迫力がありすぎるので,気分が悪くならないように次回は吹き替えで見たいと思う。
この映画はかなり史実に忠実に作ろうと努力されたようだが,バイアスのかからない本当のヒトラーがどうであったかは,決して明るみになることも描かれることもないのだろう。終戦から70年近くが過ぎても,ヒトラーの顔に見えなくもないヤカンの広告が全米を騒然とさせるらしい(URL)ので,タブーは,私の存命中は確実に続くだろう。

ヒトラー ~最期の12日間~ Blu-ray

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6/16追記
10年ほど前に一度見た「映像の世紀 第4集・第5集」を見返してみたところ,やはりヒトラーは映画とそっくり。声も喋り方もそっくりだ。第5集には映画に出てきたのとそっくりな場面もあった。残っているヒトラーの最後の映像という場面。街の様子や人々の服装なんかも映画はものすごく忠実だったことがよくわかった。


写真はロンドンのチャーチル博物館戦時内閣執務室のチャーチル個室。番組に何度か出てきた,第二次大戦の時にホワイトホールの地下に作られた英国内閣の防空壕の中。
ここはロンドンを初めて訪れた時,最初に見に行った場所だが,敵国だったせいか日本人は来ないらしく,日本語のガイドはなかった。ロンドンのあらゆる観光地では,まるで日本はヨーロッパのメジャーな国であるかの如く日本語のガイドがとても充実していたのに,ここだけはなかった。受付のお兄さんは「コンニチハ」と日本語で嬉しそうに挨拶してくれたのだけれど。