六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

指輪物語


指輪物語』はファンタジーの基本,現代の日本のアニメやゲームを楽しむ上でもこれを知っているのと知らないのとでは楽しさが違うのではないか?と思い,本はだいぶ前に買ってあった。しかし積ん読が多すぎて。ようやく全巻通して読むことができた。


本当は原書で読みたいのだが,ハリー・ポッターがやっとの私に指輪物語の原書は難しすぎるだろう。日本語訳でもたまに知らない言葉が出てきたりして自分の無教養さにがっかり。実に素晴らしい訳で翻訳者の方の言語力の凄さに感嘆するばかりだった。


一度読んだだけでは到底理解できない深い物語なので,また後日改めて読み直したいと思う。できればやっぱり,いつか原書を読んでみたい。物語を通して痛烈にノーブレス・オブリージュの精神を感じた。


以下,各巻の概要と感想等。




新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

ホビットの紹介,ビルボの旅立ち,フロドの旅立ち。ビルボが去ってからフロドが旅に出るまでの映画にはなかった物語。サムとメリーとピピンの決意も映画には描かれていなかったので,本を読んでようやく納得できた感じ。


新版 指輪物語〈2〉旅の仲間 上2 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈2〉旅の仲間 上2 (評論社文庫)

ホビットたちは,バック郷を出発し,古森と塚山丘陵を越えてアラゴルンに出会う。黒騎士に追いかけられて裂け谷の近くで川を渡るところで終わる。不思議なものが沢山暮らす世界で,古森,塚山での映画では省略された冒険が語られる。


新版 指輪物語〈3〉旅の仲間 下1 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈3〉旅の仲間 下1 (評論社文庫)

フロドが裂け谷で目覚め,指輪を葬る旅に出発し,カラズラスの山で雪に阻まれ,モリヤに入り,そこでバーリンの墓を発見するまで。旅の仲間,特にレゴラスギムリはまだぎくしゃくしている。


新版 指輪物語〈4〉旅の仲間 下2 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈4〉旅の仲間 下2 (評論社文庫)

フロドとサムの旅立ちまで。その他の仲間のゆく道は次巻以降。サムが如何にフロドの伴として相応しい度量を備えているかが次第に分かっていく。ロスロリアンのエルフの生活やレゴラスギムリの友情が育まれる様子など映画では分からなかった見所も多い。


新版 指輪物語〈5〉二つの塔 上1 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈5〉二つの塔 上1 (評論社文庫)

ボロミアの死,アラゴルンレゴラスギムリの追跡の旅とガンダルフとの再会,ピピン&メリーとエントとの出会いが描かれる。指輪所持者と別れた旅の仲間たちにも各々与えられた使命があったことが明らかになってゆく。


新版 指輪物語〈6〉二つの塔 上2 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈6〉二つの塔 上2 (評論社文庫)

ローハンの闘いとアイゼンガルドの闘い。映画では省略されていたローハンにおけるフオルンの役割や,アイゼンガルドでのサルマンとガンダルフのやりとり,ピピン・メリーとアラゴルンたちとの再会の様子が描かれる。


新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下 (評論社文庫)

旅の仲間と別れてからのフロドとサムの物語。スメアゴルに道案内をさせ,ファラミアと出会い友となり,スメアゴルの裏切りによってシェロブの住処で罠にはめられる二人。史上誰もなしえなかった勇敢さで,サムはシェロブと戦う。そして連れ去られたフロドを救うため,オークを追いかける。巻を通して主役はむしろフロドよりサムワイズだ。


新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)

アイゼンガルドを出た後,全ての西方の勢力がミナス・ティリスへ旅立ち,ミナス・ティリスでの闘いに辛うじて勝利。アラゴルンガンダルフに率いられた一同はモルドールへ向かう。ローハンとゴンドールは同日に両者とも王を失い,メリーは伝説の活躍をし倒れる。セオデン王の死はあまりにも悲しく,読み進む気持ちを取り戻すのにしばし時間が必要なほどだった。物語は黒門でピピンが倒れるところで終わる。佳境で一気に読み進まずにはいられない一巻。


新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)

指輪所持者は旅の目的を成就させ,サムとフロドはミナス・ティリスで相応しい栄誉を受ける。アラゴルンの即位と挙式,メリアドクの言葉を借りるなら「まるでゆっくりと醒めていく夢みたい」な帰路。ホビット庄における最後の闘いを経て,フロドは灰色港から旅立ってゆく。第3期の象徴ともいえる3つの指輪と指輪所持者たち,そしてフロドとビルボが去ることにより一つの時代が去りゆく寂しさは禁じ得ないが,サムとメリーとピピンに待っている,この先のホビット庄での活躍が確信させられる,希望に満ちた終わり方であったとも思う。


指輪物語 (10) 新版 追補編

指輪物語 (10) 新版 追補編

王や統治者の年代記及びドワーフホビットの歴史・家系,旅の仲間のその後の消息,ホビットの暦,言語や文字の解説及び用語集。指輪物語への理解を深める為の1冊。ゴンドールとローハンの関係や,ローハンとアイゼンガルドの関係なども理解が深まった。用語集は物語の最初から手元に置いて利用すればよかったと思う。アルウェンの運命を読むのが辛すぎた。あまり語られなかったが,その後ファラミアは幸せに暮らしたのだろうな。彼には幸せになって欲しかった。