六月の雪

緋色は雪の涙なり

Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.
 
 
  

パイナップル

2008年のハロウィンの日,実家からお裾分けにいただいたパイナップルです。その時の姿を写真に残していればよかったのですが,まさかこんなに経っても元気でいてくれるとは思わなかったし,うちに持って帰った時は既に熟しすぎて持つのも大変,甘い果汁に無数の蟻が集っていて,それを振り払うのも大変,四苦八苦で写真どころではなかったのでした。

葉の部分は短くカットされ,葉などほとんどないも同然の状態でしたが,食べ終わった後,「これでも生きているんだよねー」と思って水に挿してみました。既に季節は寒かったし,パイナップルを育てるようなスペースもなかったし,日当たりの悪い北向きの台所の窓枠に,ただ何となく置いていただけでした。
やがて冬になりましたが,パイナップルは少しずつ葉を伸ばし,生長していきました。でも根っこの部分に変化は起こらず,そのうち枯れるだろうと思っていました。
しかし,枯れぬまま春がきて,パイナップルは根っこを出し始め,新しい葉も出し始めました。どうしよう? 植える場所もないけれど,せめてこのまま見守っていよう。
そのうち夏が来て,やがて,引っ越しが決まりました。水に挿しているだけのこのパイナップルを,どうやって高温になるトラックの中で2泊させよう? 根っこの部分を濡れティッシュで包み,更にラップで巻いて,あとは生命力に期待して東京へ連れてきました。
無事枯れずに着いたものの,新しい家の環境が気に入らなかったのか,根っこが腐り始め,ここまでだったかと諦めて,腐った部分を取り除きながら,水を換え,水を換え,再び冬がやってきました。
ところが,冬になって腐敗が止まり,また新しい根っこが出てきたのです。

何と嬉しいことでしょうか。パイナップルを育てたいと思ったわけではありませんが,もう1年以上,一緒に引っ越しまでして過ごしてきたので,愛着が湧いてしまって,少しでも長く元気な姿でいて欲しいと思います。